財務・業績

業績の推移

(単位:百万円 )

損益計算書
ハイライト(連結)
2020/3 2021/3 2022/3 2023/3 2024/3
前受金調整前
売上高(現金ベース)
20,398 19,816 20,146 19,295 18,932
前受金調整額 △67 △66 325 416 69
前受金調整後
売上高(発生ベース)
20,331 19,749 20,471 19,711 19,001

売上原価 

(返品調整引当金繰入額(純)含む(2021/3まで)) 

12,581 12,024 12,657 11,979 12,012
販売費及び
一般管理費
7,588 7,320 7,401 7,413 7,295
営業利益 162 404 413 319 △307
経常利益 260 646 442 324 △329
親会社株主に帰属する当期純利益 103 405 444 214 △219
1株当たり
当期純利益(円)
5.58 21.92 24.05 11.69 △12.12

※前受金と講座に関する売上計上基準について
当社の提供する資格試験講座においては、原則として受講者の申込時点で講座受講料を全額前納していただいており、受取った受講料をいったん全額負債としての前受金に計上し、受講期間に応じて受講者にサービスを提供していく都度、月割りで前受金を取崩し売上計上していきます。
当社の主力である公認会計士・税理士等の難関国家資格講座は、受講期間が1年を超えるものも多く、したがって前受金は1年以上にわたり各月の売上に振り替えられていくことになります。

 

 

グラフ①(売上高(発生ベース)).png 

2024/3期はコロナ禍が明け、人々の生活もコロナ禍前の状態に回帰してきた一方で、学生の良好な就職状況や公務員志願者の減少傾向等もあり、個人教育事業や出版事業が低調に推移し、グループ全体としての売上高は前年に比べ減少いたしました。


 

グラフ②(前受金繰入・戻入と売上高の関係).png

 現金ベースの売上が拡大していく局面では前受金残高が増大していき、当該会計期間以降、前受金戻入が多額になることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が強まります。一方で、現金ベースの売上が減少していく局面では前受金残高が減少していき、当該会計期間以降、前受金戻入が少なくなることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が弱まる傾向があります。

 

 

グラフ③(営業利益・親会社株主に帰属する当期純利益).png


財務の推移

(単位:百万円 )

貸借対照表
ハイライト(連結)
2020/3 2021/3 2022/3 2023/3 2024/3
総資産 20,253 20,417 21,384 20,795 20,790
差入保証金 2,806 2,790 2,654 2,133 2,012
前受金 6,176 6,294 5,943 5,483 5,462
有利子負債 5,242 4,496 5,095 5,298 5,649
純資産 5,478 5,815 6,174 6,203 5,872
1株当たり純資産 (円) 295.67 313.88 333.22 341.58 323.28
自己資本比率 (%) 27.0 28.4 28.8 29.8 28.2

 

グラフ④(総資産).png

 

グラフ⑤(純資産・自己資本比率).png


配当金の実績

(単位:百万円 )

  2020/3 2021/3 2022/3 2023/3 2024/3 2025/3(予)
1株当たり
年間配当金
5.00 5.00 6.00 6.00 6.00 4.00
(内訳)            
  中間配当 2.00 2.00 3.00 3.00 3.00 2.00
  期末配当 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 2.00
配当性向 (連結)
(%)
89.5 22.8 24.9 51.3 48.4

2024/3期は年間配当額6円を実施いたしました。
当社は、当社グループが更なる発展を成し遂げるため、新規事業・新規講座の開発に積極的に取り組むことで次世代の成長の芽を育てていく必要があると考えております。
配当額につきましては、将来の成長のための内部留保の充実を図りつつ、株主還元とのバランスを考慮して決定していく予定です。2025/3期は年間4円の配当を予定しています。

 

 

グラフ⑥(配当金・配当性向(連結)).png


キャッシュ・フローの推移

(単位:百万円 )

キャッシュ・フロー
ハイライト(連結)
2020/3 2021/3 2022/3 2023/3 2024/3
営業活動による
キャッシュ・フロー(純額)
586 1,433 484 △28 △524
投資活動による
キャッシュ・フロー(純額)
△153 270 △414 436 △43
財務活動による
キャッシュ・フロー(純額)

△ 1,334 

△864 509 △21 206
現金及び現金
同等物期末残高
4,257 5,118 5,716 6,103 5,745
フリー・
キャッシュ・フロー
△128 630 427 △224 △606

※フリー・キャッシュ・フロー = 親会社株主に帰属する当期純利益+減価償却費-設備投資額-運転資本増加額-配当金の支払額

セグメント別業績の推移(発生ベース)

(単位:百万円 )

セグメント別
売上高(連結)
2020/3 2021/3 2022/3 2023/3 2024/3
個人教育事業 11,715 11,203 11,130 10,385 9,827
法人研修事業 4,418 4,117 4,366 4,428 4,453
出版事業 3,678 4,000 4,514 4,426 4,246
人材事業 585 480 512 517 510
合計 20,331 19,749 20,471 19,711 19,001


個人教育事業

個人教育事業は、新型コロナウイルス感染症が第5類へ移行したことを契機に、社会人を主な受講生層とする講座を中心に新たに学習を始める方及び受験経験者の申し込みが徐々に回復してきたことで、下半期の6ヶ月間では前年度の現金ベース売上高を上回り、同期間における現金ベースの営業損益は2億5千2百万円改善いたしました。講座別では、企業におけるDX推進に伴いIT関連需要が続く情報処理講座や試験制度変更や税制改正等の追い風を受けた税理士講座は年間を通じて好調に推移しました。また、中小企業診断士講座や社会保険労務士講座、不動産鑑定士講座、宅地建物取引士講座、建築士講座、司法書士講座等の社会人の方が主な受講生層となる講座も好調に推移しました。一方、民間企業における人材不足に伴う採用意欲の高まり等もあり、学生を主な受講生層とする講座への申し込みが低調に推移したほか、簿記検定講座や米国公認会計士講座等も前年度の現金ベース売上高を下回りました。コスト面では、講師料、教材制作のための外注費、賃借料等の営業費用は107億9千4百万円(前年同期比2.3%減)となりました。これらの結果、個人教育事業の現金ベース売上高は97億6千5百万円(同2.1%減)、現金ベースの営業利益は10億2千9百万円の営業損失(前年同期は10億7千4百万円の営業損失)となりました。

 

 

グラフ⑦(セグメント別業績の推移(個人教育事業)).png

 

法人研修事業

当社の企業向けの研修は第4四半期に入りややペースが減少したものの、年間を通じて好調に推移いたしました。分野別では主力の金融・不動産分野が前年を上回った他、財務・会計分野、電気・施設関連等の研修も好調に推移し前年を上回りました。大学内セミナーは前年並み、地方の個人を主な顧客とする提携校事業は前年同期比7.3%減、地方専門学校に対するコンテンツ提供は同8.5%減、自治体からの委託訓練は同0.9%減となりました。コスト面では、営業費用全体として34億3千3百万円(同0.7%減)となりました。これらの結果、法人研修事業の現金ベース売上高は44億4千5百万円(同0.5%増)、現金ベースの営業利益は10億1千1百万円(同4.7%増)となりました。

  

 

グラフ⑧(セグメント別業績の推移(法人研修事業)).png

 

出版事業

当社グループの出版事業は、当社が展開する「TAC出版」及び子会社の㈱早稲田経営出版が展開する「Wセミナー」(以下、「W出版」)の2つのブランドで進めております。出版事業は第3四半期以降業績の回復を見せつつも、巣ごもり需要の反動減があった第1四半期及び第2四半期の影響をカバーすることができず、年間の売上高は前年を下回る結果となりました。資格試験対策書籍ではTAC出版の税理士、不動産鑑定士、建築士、証券アナリスト、W出版の弁理士、行政書士等が好調に推移し前年を上回りましたが、簿記検定、宅地建物取引士、マンション管理士、FP、社会保険労務士等は前年を下回る結果となりました。なお、大幅な改訂や新シリーズの発刊を行った旅行ガイドについては、行動規制の緩和による旅行需要の増加もあり好調に推移いたしました。コスト面では、営業費用全体として33億9千8百万円(前年同期比5.9%増)となりました。これらの結果、出版事業の売上高は42億4千6百万円(同4.1%減)、営業利益は8億4千7百万円(同30.3%減)となりました。


グラフ⑨(セグメント別業績の推移(出版事業)).png

 

人材事業

子会社の㈱TACプロフェッションバンクが手掛ける会計系人材事業は、顧客とする監査法人や税理士法人、また一般企業における会計系人材の採用意欲が高く、広告売上、人材紹介売上は年間を通じて好調に推移した一方、人材派遣売上は前年を下回りました。㈱医療事務スタッフ関西が手掛ける医療系人材事業は、医療機関の人材不足等による需要もあり第2四半期以降売上が回復し、前年の売上を上回りましたが、派遣人材の確保及びそれに伴う人件費等の営業費用の増加の影響もあり、営業利益は前年を下回る結果となりました。これらの結果、人材事業の売上高は5億1千万円(前年同期比1.5%減)、営業利益は6千3百万円(同9.5%減)となりました。

  

   

                   グラフ⑩(セグメント別業績の推移(人材事業)).png